約 301,133 件
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/188.html
【レイヴン、緊急の依頼だ】 眠い 【つい先程、八王子研究所の研究者一名が重要なデータを持って最新鋭MT一機を奪取して逃走を開始】 今何時かどうかも分からない いや、そんな事はどうでもいい 【進行方向には1時間程前からニッサンの部隊が展開しており、予め計画していた作戦だと予想される】 依頼主はホンダ、相手は最新型のアシモ一機 長引くとニッサンの特殊部隊と殺り合うことになる 【恐らく袖の下を渡されたのだろう、優秀な技術者だったのだが仕方が無い。レイヴン、始末してくれ】 目標は八王子から都心方面へ狭い一般道を利用して進行中 およそ30分程でニッサンと合流するだろう 「セシリアさん、契約しました。出撃します」 「分かりました。時間がありません、直ぐに出撃してください」 契約を成立させ、セシリアにそのことを告げると 予め着ていた対G服の2重ジッパーを締めて ハンガー脇の壁に掛けてあったヘルメットを手に取り 梯子を駆け上ってACのコクピットに滑り込む 【システム起動】 「ヴェレスタ、巡航モードで作戦領域まで移動するぞ」 【メインシステム、巡航モード起動します】 巡航モード――AC単独で長距離移動するためにエネルギー分配を絞ったモードの一つで ヘリや輸送機が使用出来ない状況や連続でミッションに臨む時に利用される ルビーナイツではヘリや輸送機は信頼されたレイヴンにのみ貸し与えられるので 新人や低位レイヴンは基本的にこのモードで作戦領域に向かうのだ 「初めてのミッションになりますが、緊張せずに、落ち着いてくださいね」 セシリアがヘッドセットのマイクを通してちょっとした激励ともとれるような言葉を掛ける 「ゲートを開放します」 セシリアがガレージ2階部分の電算室から基盤を操作し ハンガーの向かい側にあるAC用ゲートを開放 ヴェレスタがゆっくり、屋外へと歩を進める 「気を付けて…行ってらっしゃい」 「了解、行ってきます。さあて…行くぞ!」 屋外へと出た機体を作戦領域の方向へ向け、ブースターに点火 横浜にしては珍しく、雲一つ無い星空へと飛び立った 逃げ切れる、警察はビビッて追って来ないし 後ちょっとでニッサンの部隊と合流できる 合流したら後はもう楽だ データさえ渡すことが出来れば金も生活も何もかも ニッサンが保障してくれる 後ちょっと…後ちょっとで… ピーーーー!!!!! 「ロックアラート!?れ…レイヴンか!?くそっ!」 突如、飛来して来たミサイルをレーダーが感知し 搭乗者――今回のターゲットにそれを知らせる 「な…何か、何か装備は無いのか?…そうだ、コイツのジャミング装置を使えば…!」 ターゲットがモニター上部のスイッチ群の中の一つのスイッチをONにすると それまで真っ直ぐに飛んでいたミサイルが目標を見失ってあらぬ方向へ飛んで行き 歩道橋にぶつかって橋もろとも粉々になった 「敵は強力なミサイル・ジャマーを搭載している模様。 周りの建造物への被害を考慮して、ブレードで叩き斬るのが無難でしょう」 「ですね…一気に接近します」 作戦領域に到達し、目標をレーダーで確認した宗治はまず挨拶代わりにミサイルを放ったのだが 最新型アシモの強力なジャミングで命中はしなかった そして、次に彼がとった行動は言葉通りである 「ぬぉあっ!?ち…近寄るなぁ!近寄ってくるなぁ!!」 ヴェレスタがブースターを噴かし、アシモに急速接近する ターゲットは牽制――なんて考えてはいないだろうが 右手のレーザーピストルをこちらに向けてしきりに撃って来た 周りに無関係の民家がある以上、避ける事は出来ない 甘い考えとは分かっていたが、宗治はそれを曲げるような事はしなかった ACのモノに比べれば遥かに弱いレーザーが装甲の表面を焼く 「ひ…ひぃぃ!?」 「悪いけど…仕事なんだよ!」 ヴェレスタの左腕部の装甲が開き 中から出て来た装置が先端からエネルギーを放出、ブレードが形成される 「うごぁ…がっ…」 射突ブレードの如くブレードをコクピットに突き刺され ターゲットは絶命、アシモはコクピット以外無傷のまま崩れ落ちた 【目標の撃破を確認。メインシステム、通常モードに移行します】 「任務…完了です」 「お疲れ様でした。奇跡的に、公共物への被害だけで済みましたね…帰還してください」 「これで俺も…人殺しの仲間入りってか」 任務を達成して初めて、人を殺したという実感が湧いて来る 企業の戦闘部隊でもなければ経験が無くて当たり前の事なのだが―― そして時は飛んでおよそ1月と7日後のこと 「…ここでしたか。アリーナ参加の許可が下りました、 ミツビシから推薦状が届いたそうです…凄い腕ですね」 射撃場に宗治を探しに来たセシリアが台上に積まれた交換済みの的に目をやり 穴の開いた部位を見ながら感嘆の声を上げる その間にも宗治が、銃声と共にライフル弾が紙に描かれた人形の頭部を、心臓を、交互に貫いていく 「管理の永沢さんから腕を褒められましたよ…何日も練習してましたからね。当然と言えば当然なんでしょうが」 弾を一通り撃ち終わって、シンプルなボルトアクションライフルを台上に置き 壁に付いているボタンを押して的紙をこちらに移動させて新品に交換する 新品と取り替えられたこの紙も頭と心臓を的確に打ち抜かれていた 「で…アリーナですか?」 「ええ、ミツビシ社から気に入られたみたいですね。しかし問題が一つ…」 「何ですか?」 「推薦されたアリーナが香港なんですよ…」 「香港?…何で中国?」 「恐らく、ミツビシの戦略に組み込まれてるのでしょう。気に入った、 腕の良い新人レイヴンを何名も中国戦線に送り込んでミッションをさせる。 他社の依頼で敵になっても刺客を送り込んで殺せばよく、 殺して減った分はまた各地で補充して中国に連れて来ればいい。 正直、気に入りませんが…名を上げる折角のチャンスですからね、話を受けない理由は無いでしょう」 アリーナへの参加は推薦制で企業が気に入ったレイヴンの所属団体に 推薦状を送ることによって成立する その時に袖の下などである程度、レイヴンの行き先を操作する事が可能なのだが 今回のケースは正にそれであった 「それに、中国は世界中からレイヴンが集まって来る激戦地。 パーツも比較的安く買えますし、時には試作品すら回ってくるそうです」 「…勿論、旅費とビザはRKの方で処理してくれるんですよね?」 「…受けるんですね?」 「受けない手は無いでしょう…激戦地なら奴と出会う確立も高くなる。左腕の借りを返したいですからね…」 新しい弾を撃ち尽くすと、ライフルを置き、ゆっくりと向き直ってから左手に嵌めていた手袋を取る そこには人の腕は無く、ゴムと金属で覆われた無機質な義肢が付いていた 「体を奪われて、初めてはっきりとした目標が出来た…俺は奴を、ネロを殺す。殺して、左腕の代価を払って貰いますよ…!」 セシリアの表情が一転して悲しそうな顔になり 宗治の左手を手に取って両手で包み込む 「…その…まだ、痛むんですか?」 「ええ…時々」 「…」 一瞬だけ強く握りこまれたが、機械の腕は何も感じなかった やがてセシリアはゆっくりと手を放し 「…とにかく、異動ということになりますから、荷造りをしていて下さいね。 今日申請をすれば1週間後ぐらいには社の輸送機で直接、九竜半島のガレージに移動する事になると思います」 「分かりました。必要な物だけ纏めておきます」 「それでは、私はこれで…」 それだけ言い残すと射撃場から出て行った 「今日はこれぐらいにするか…」 セシリアが出て行くと、宗治はライフルの中に弾が残ってないか確認し 窓口の管理人にライフルと空の弾薬ケースを渡して自分のガレージへと戻っていった ガレージの戸を抜けると、ハンガーには最初の頃とは姿形を変貌させたヴェレスタが立っていた 最初のミッションから数週間、宗治は来るミッション全てを順調にこなし ルビーナイツと企業からの信頼を勝ち取っていった しかしあるミッションで不運にも彼はランカーAC「No.666」と遭遇 ミッション用装備や地形を駆使し、善戦はしたが徹底的に攻撃され その衝撃でコクピット内に破片が飛び散り、頭部を庇った左腕に多数の破片が突き刺さり 神経・筋肉・骨髄等を傷付けてしまった また、ACの回収が遅れたこと等が災いして上腕の下部から下を切断 レイヴンを続けるために人工筋肉製の義手を付ける事になってしまった そしてヴェレスタも大破を理由に全面改修する事になり、その時のミッションの依頼主であったミツビシが 事前調査や警戒のミスを理由に試作品や最新型パーツを提供 機体とその主は一夜にして形を変えてしまったのだった 「左腕が疼くな…なぁヴェレスタ。復讐、出来るかもしれないぜ」 宗治は自らの愛機に向かってニヤリとすると キッチンに向かい、冷蔵庫からビールを取り出して愛機を相手に一人で酒盛りを始めた
https://w.atwiki.jp/odyssea_wiki/pages/56.html
怪しい黒ずくめの男が過ぎ去ったあと、余裕綽々で学校に間に合った俺こと恒成とその幼馴染の蛭川は始業式に参加し、 特にこれといった事はなく閉幕。その後教員の指示により、新入生諸君らは自分たちの教室へと足を踏み入れた。 「おー、恒成君とは一緒のクラスだねぇ。改めましてよろしく!」 結局、ファッキンぱっつん小動物系巨乳糞美少女型幼馴染(以後、蛭川で統一する)とは不運にも一緒のクラスだった。 「死ね」 俺は幼馴染に軽く挨拶を交わし、黒板に貼られていた座席表を参考に自分の席に座った。 「おおー、恒成君のおとなり!やったー!」 「黙れ」 そろそろクラス全員集まり、先生から自己紹介や事務報告などが言い表されようとする雰囲気の最中、唯一ひとつだけ空席の所があった。 (まだ来てない奴がいる・・・まさか、初日から不登校か!?) その勇敢で強靭な精神力を持つ猛者を心から表彰したいところだが、約束の時間を破る者は俺がこの世で一番嫌いな性格の一つだ。 よって、その不登校者がどんな華奢で可憐な美少女であろうとも、次この部屋の引き戸を開けたその瞬間力一杯ぶん殴ることにしよう。 そんなことを考えていたら、先生の心底どうでもいい自己紹介もいつの間にか終わっていたので、 俺はこのくだらない有象無象の高エントロピー豚箱空間から一番で抜け出した。 「ちょっ、待ってよー」 蛭川がまたもや俺の背中を追尾してくる。 「待たぬ」 追いつかれぬよう、俺はいっそう足を速める。 その間、廊下で烏合の衆に何度もぶつかったが、同情の意とせめての気休めとして我が崇高なる唾を吐いてやった。 「なんでそんなに急いでるのーっ?」 「始業式のプログラムは教師による号令の挨拶で締め括られた瞬間に終わったのだ。 そして、ここにいる存在理由が消滅した。即ち、帰宅!!」 正論とはまさにこのことを言うのだろうと、自分で言い放ったキメ台詞がかっこよすぎて鳥肌実。 「ええー!それ理由になってないよー!急いで帰らなくてもいいじゃん」 論破された。 「き、詭弁だな。まあ、要するに、だ。一刻も早く帰りたいんだ。 俺は欲に甘いんだ!快楽(エピクロス)主義者なんだよ!! うわあああああ!!ベッドにヘッド擦り付けながら潜り穿って寝たいいいいい!! ベッドイントゥ!!コークスクリューダイビングゥ!!もふもふもふもんっぐぅわああああ!!!」 遂に発狂した。 年経ても大成せず、糊口を凌ぐためまた“賤吏”に戻るが、“賤吏”の上役に使役される毎日をして鬱憤が溜まり、遂に発狂した感じの気分だ。 「ヒャッハーーー」 校門はもう目の前だ。 この敷地外に出れば晴れて楽園の彼方(アヴァロン)。 徒歩10分という奇跡の近さが唯一利点のションベン高校からおさらばすることができる。 さあ、踏み出すん(カットビング)だ、俺! 「うおおおおおおっおっおっ!?」 が、駄目。 校門をくぐろうとしたまさにその瞬間、俺は何者かによってコースを遮られた。 「何だ貴様ァ!」 「やあやあ!威勢いいね!初日から走りこんでるねえ!!新入生かな? どうだい?我が陸上部に入らないか?君ならインターハイ狙えるよ!!」 そう言い張るやけにハイテンションな青年は、スポーツ刈りのデコ助野郎。 「あ?リクジョウブ?」 まさか、初日からもう既にクラブ『勧誘』が始まっている、だと? そんな馬鹿な。 思わぬところで足止めを食らってしまった。 「おーい、恒成くーん!」 まずい、蛭川に追いつかれてしまった。これは一生の不覚。 そしてこうなったのも森羅万象全て何もかもこのスポーツ野郎のせいである。 「どうだい?陸上部に・・・」 「俺は入らん。いや、入れん。何故なら既に部活に“入っている”からだ・・・ そう、『帰宅部』っ・・・!」 我ながら正論過ぎて血ヘド吐きそう。 「あー、残念ながらこの学校には『帰宅部』は無いんだよねぇ。 どっかしらの部活に入らないといけない規則なんだ」 何だと?なんて傲岸不遜で横暴な校則なんだ。 俺は更に胸糞悪い気持ちで胸いっぱいにした。 「と、言うわけで陸上部に」 「誰が入るかチンカス!精々ハゲ散らかしてほざいてろワレェ」 俺は一目散に立ち去った。ただし、校門とは逆の方向に、だ。 「あれっ?恒成君どこ行くの?」 馬鹿な女だ。そんなもの決まっているだろうに。 「―――――選考(ドラフト・ワン)だ」 こうして掲示板の前に立って何十分過ぎただろうか、中々お目当ての部活が見当たらない。 張り紙はどれもカラフルに彩られていて虫唾が走るものばかりで、それでいて全く興味を示せない。 「もうそろそろ諦めようよ、恒成君。 時間はまだたっぷりあるし、体験入部とかしてじっくり選べばいいじゃん・・・ 今日はこの辺にして一緒に帰ろう、ね?」 馬鹿な女だ。こういう面倒なことは早めに決めておいたほうがいいのだ。 どうせ後になってどうしても決断を強いられる羽目になり、やりたくも無い部活動に強制的にやらされるのだ。 俺の昔の友人は、先輩達の強い押しによってか、特に入る予定でもなかったバレー部に入部してしまい、そこで地獄を見た。 結局、友人は情けないことにバレー部を一年でやめてしまい、本来入りたかったであろう吹奏楽部に行った。 だったら、せめて早々に自分で選るのが最良の選択というものだ。当たり前だがな。 が、しかし、どれも面倒で喚起されない部活ばかりだ。これだから低俗愚民共は。 と、掲示板の隅の方にある質素な張り紙が映った。 「秘密結社ゴランノス=ポンサー エージェント募集 拠点:4階暗室」 と、極太マジックで殴り書きされている。 正直俺は不意打ちを食らった。少し心時めいたりもした。とにかく、全体を見渡す限りではこれが一番興味を惹かれた。 「これだな」 「え?決まったの?」 キョトンとした蛭川を尻目に、早速示されている部室へと足を運び、この場を後にする。 そして、 「たのもー!!」 俺は暗室と呼ばれる教室の扉を大きく開け放った。 「何事ぞ!?」 男の声。中には青年が二人ほど居座っている。 一人はボストンフレームのメガネでヒョロそうな、いかにも「拙者、アニメ大好きでござるよ、デュフフフ」系のオタク。 もう一人は、怪しげな紋章の刺繍が入った学生帽を深く被り、漆黒の前髪で顔が完全に隠れていて、 たいそう肌色が悪く、サイケデリックを感じる少し小柄な少年。 この二人、雰囲気(オーラ)だけでも相当「できる」奴だと流石の俺ですら感じ取れるほどひしひしと伝わってくる。 やはり、『秘密結社ゴランノス=ポンサー』など怪しすぎた。やめるか? いや、ここまで来たからにはもう引き下がれない。やるしかないだろう。 「俺は・・・入部希望者(エージェント)だ!!」 「「!!」」 青年二人の顔は鳩が豆鉄砲を食らったかのような極めて驚愕な様子の形に変形した。 いや、学生帽を被ったほうの顔の様子は伺えなかったがそんな感じがした。 「そうか・・・エージェントか! ようこそ、我らが秘密結社ゴランノス=ポンサーへ・・・!!」 ボストンフレームが握手を求めてきたが払い退ける。 「勘違いするなよ?俺は部活動がめんどくさいから、一番どうでもいい部活を選んだだけだ。 貴様らなど眼中に無い」 これを聞いたボストンは驚いていたが、しばらくして何か理解したのか、ニヒルな笑いを浮かべ始める。 「ふむ、ツンデレですか。まあ、こういうエージェントもありですかね・・・クヒヒヒヒ」 「あの」 俺の後ろにこっそりといた蛭川が唐突に発言する。 「恒成君がここに入るのなら、私も入部志願(エージェント)したいです!」 これは驚倒した。 「なっ、蛭川!?、お前いいのか? こんな意味不明な部活に入って・・・」 蛭川は静かに首を縦に振った。 そして、ボストンは過剰な反応を示す。 「おおおお!!!おおおおお、お、女の子だ! 女の子がエージェントになったぞ!!しかもおっぱい美少女だ!!」 かなり大声だったからか、蛭川の頬が少し赤くなったように見えた。 「おい、菊池よ、女子だぞ女子!これで歴代女子エージェント二人目だな! レンたん以来の・・・」 「その名を口にするな」 菊池と呼ばれたサイケ少年は、声自体は高めだがかなりドスの利いた声でボストンを黙らせた。 何か言ってはいけない事だったのだろうか。 タブーっぽいがどうしても気になってしまい、ついつい訊いてしまった。 「レンたんとは?」 それを聞いたボストンが、その問いに答えようと口を開いたが、それを遮るように菊池という名の少年が、 「蘇芳恋。去年、エージェントだったが、消えた。 消えたというのは、行方不明という意味だ。 だが、それに関して君ら新入りが気にする必要は全く無い」 と淡々と述べた。 何だこの重い空気。 蘇芳恋? 行方不明? あまり首を突っ込まないほうがいいかも知れないな。 (末端) 第四話
https://w.atwiki.jp/emcamp/pages/32.html
バード・オア・アニマルズ(臆病な人々) 時は10月半ば。小国家連合とゴルディオス王国との交戦状態は小競り合いの域を超え 大規模な戦闘が繰り広げられていた そんななか、小国家連合内の最西端にある農村「ラッテム」がゴルディオスの襲撃を受ける ラッテムはゴルディオスに最も近い村であり、小国家連合内でも重要な拠点の一つである 連合会議はリートフェルト教練学園にも学兵の派遣を要請するのだった… 今回、PC達には最前線に向かってもらいます 戦局も相当危険な状態なので、気を引き締めると良いと思います。君ならできるよ ――願わくば、皆で帰ってこれますように シナリオNPC ディーン 『臆病な兵士』 16歳 男 実技科2年 コニーリョ 自身の特徴:優しい 好きな特徴:活発 嫌いな特徴:没頭 主な所持品:手紙 「闘いは嫌いだ。誰だってそうだろ?」 最近コニーリョになったばかりの、実技科の兵士です 美男子であるため女性からの人気は高く、勤勉で真面目な性格です。が、成績は平均程度です 手紙を書くことが好きで、頻繁に家族と連絡を取り合っているようです ジェローム 『派遣部隊のリーダー』 18歳 男 戦略家3年 ウォルソ 自身の特徴:没頭 好きな特徴:優しい 嫌いな特徴:善人 主な所持品:白いスカーフ 「私の指揮に従えば、何も問題はないさ」 優秀な戦略科の生徒です。冷静な兵士運用には定評がありますが、 時には非情な判断を下すため一部の生徒には嫌われています。 同じ戦略科のアイゼン・ポーター(練兵都市45p参照)をライバル視しています エリス 『凡庸な努力家』 15歳 女 実技科2年 コニーリョ 自身の特徴:平凡 好きな特徴:上品 嫌いな特徴:変 主な所持品:日記帳 「『6月7日、晴れ。ちょっとだけ挫けそうです』」 元々操縦科でしたが、適性不足と判断され実技科に転科した少女です ランニングが趣味なので体力はありますが、要領が悪く何をやっても失敗続きです そのため弱気で、自信に溢れた人が苦手です 寝る前に日記をつけることが習慣ですが、内容は彼女の失敗記録となっています (詳しくは練兵都市44p参照) アスナ・シーエント 『力を求める剣士』 16歳 女 実技科3年 ウォルソ 自身の特徴:強靭 好きな特徴:強靭 嫌いな特徴:華奢 主な所持品:古びた手甲 「風紀委員会の名の下に、悪はこの私が討つ!」 高名な騎士の一族の娘です。生まれついての近視で、メガネと後ろに束ねた髪がトレードマークです 風紀委員会の現委員長であり、木剣を片手に積極的に校内外の見回りを行っています 剣の腕前は学内トップ3に入る、と言われていますが、反面座学の成績はイマイチであり、テスト前はいつも徹夜します ステファニー 第2話のヒロイン。になれれば良かったね ジェロームさんの所持品はスカートでええのんか? それはさておきPC1・3・4希望で -- スーツ (2011-12-13 13 50 26) 前回の宣言通りサブGMしようかと。ところで(ドニ先輩を含む)バイト先のファミレスは出てくるんでしょうか -- 本屋 (2011-12-13 17 10 05) ちゃうねん。修正しますた>スカート 「今日のアルベールはバイトなのでお休みです」とか使えるよね>本屋 -- 湊 (2011-12-13 17 15 28) 間違いで良かった。セリフと相まって変態紳士が出来上がる所だった -- スーツ (2011-12-13 19 25 30) 爆発してくれるリア充なら誰でも…、いやNPC1or5で。 -- k-yamamo (2011-12-14 06 43 31) アスナさんがいい…ということでNPC4希望で。 -- RYO (2011-12-14 09 06 53) だいぶ遅いですがPC2or3希望です -- にゃん (2011-12-30 01 13 33) 3か5かな~。 -- 九月秋夜 (2012-01-12 09 51 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bluesky-dreamer/pages/85.html
その白いバッグは、2ヶ月ほど前にとある雑貨屋であたしが勇気を振り絞って買った物だった。値段は2500円。月に3000円しかお小遣いを貰っていないあたしにとって、どんなに重大な決断だったか。 それを、見知らぬ若い男に落とされ、汚された。 「ちょっと……どうしてくれるんですか?」 男は答えない。ちらりとあたしを一瞥した目は、とても怖くてまるで狼の様だった。 ――怖い。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/unkotinkonyan/pages/36.html
日が傾きかけた公園のなかで、巨大な蜘蛛が前の二対の足を掲げて威嚇の姿勢を取る。 蛇の顎を宿した左拳を脇に構え、真正面から蜘蛛の懐へ飛び込むエビル。蜘蛛の長い肢の間合いに入る一歩手前で勢いを殺し、素早く小さく踏み込んだ。 所詮はモンスター、ただの獣。単純なフェイントに乗せられ、高く掲げた鋭い一対の肢を振り下ろす。 金属の刃を思わせる蜘蛛の肢が地面を砕く。エビルは素早く蜘蛛の右脇腹に飛び込み、いっぱいに開いた左腕の蛇の顎で喰らいついた。 蜘蛛は大きく身をよじり、エビルを振り落とそうと試みる。しかしがっぷり食い付いた牙は外れることはなく、蜘蛛の体へ毒素を送り込み続けていた。 苦し紛れに蜘蛛の牙の間から放たれた糸もむなしく宙を舞い、エビルの左肩から伸びるガルスネーカーの尾が蜘蛛の首を締め上げた。 毒が回ってきたのか、蜘蛛の動きが次第に鈍りはじめた。エビルは必殺のカードを抜かんと右手をデッキに添えるが、小さな違和感を覚えて手を止めた。 蜘蛛の背部が異様に盛り上がり、金属質な外殻が内よりの発熱で赤く変色を始めた。しゅうしゅうと湯気の上る中、エビルは不意に蜘蛛の殻を破って突き出した腕に首を掴まれる。 盛り上がった蜘蛛の背部を引き裂き、中から人に酷似したシルエットがゆっくりと現れた。 人間でいう頭部にあたる場所には八つの目らしきものが見られ、周囲を確認するかのようにばらばらに動いた後、蜘蛛の脇腹に取り付くエビルに視線を集中させた。 八つのおぞましい目に射抜かれ、エビルの左腕から力が抜ける。蛇の牙も外れ、蜘蛛の背中に生えた人型が右手一本でエビルの体を持ち上げた。 人型は大きく後ろに振りかぶり、エビルを投げ飛ばした。その軌道の先にはか細い街灯のみ。 エビルの体は街灯に直撃、金属製の街灯をぐにゃりと曲げて地に落ちる。ユナイトベントが解除され、左腕の蛇の頭が消滅した。 当たった場所が強固なグランメイルでよかったと、仮面の下で咳き込みながら加奈子は思う。ちょっと背中が痛いけれど、まだやれる。 一度頭を振って、エビルは立ち上がった。 「で、いつまで見てる気? また横取りでもしようって腹かしら?」 蜘蛛から視線を外さずにエビルが言った。その背後から小さな舌打ちが聞こえる。 「横取りとは失礼だな。そいつは俺のツバつきだぞ? つーか、焼き尽くしてやったはずなんだけどな、えらくしぶとい奴だよ、全く」 軽い着地音。紅い鎧姿がエビルの視界に入る。 「邪魔されんのも興ざめだろ。まずはあれ、潰すぞ」 銛を小脇に構え、レディアスが走り出した。エビルはデッキからカードを抜き、左手のガルバイザーに読み込ませる。 ソードベント。バイザーがカードの名前を読み上げ、じゃらじゃらと不快な音とともにダイヤモンドバックがエビルの右手に握られた。 露払いをレディアスに任せるつもりで戦闘を眺めるエビルの首めがけて、人型の放った糸が迫る。それを難なく左腕で止め、右手の刃で切り裂いた。 「どうやら私にご執心のようだけど?」 からかうようにエビルが言った。マグマバイザーを巧みに操って蜘蛛の肢を打ち払っていたレディアスが笑う。 「こいつの興味なんか知らねえよ。こいつはただの獲物、俺の獲物だ!」 硬質な金属同士がぶつかる音。右腕一本で振るわれたマグマバイザーは蜘蛛の肢に止められ、左手を加えていくら力を込めても動く気配がない。 先程から五、六発は打ち込んでいるものの、蜘蛛の体に目立ったダメージは見られない。また今現在レディアスと互角以上のパワーを発揮している。間違いない。 「強くなってやがる」 強く噛み締めた奥歯の間から締め出すように呟いた。 突如、強烈な力に押されて足が地から離れ、レディアスは地面の上を転がる。蜘蛛の肢に払い飛ばされたようで、その際に鋭利な先端が胸を掠めたらしく、レディアスの胸部装甲に一筋の傷が刻まれていた。 「どっちが獲物なんだか」 小ばかにしたようなエビルの声。声のした方を目で追うと、左肩の装甲が削れ、軽く流血しているエビルが見えた。 「人の事言えるのか? ったく、どうなってんだよ、あれ」 「さあね。私に聞かないでよ。レベルアップした、って事じゃない?」 「次のこと考えてる余裕はなさそうだな」 レディアスがカードを抜いた。次、というのは蜘蛛を倒した後のエビルとの戦闘を指しているのだろう。 「この間合いは結構まずいよ。あいつ、糸を針みたいにして飛ばしてくるから。……ほら来たっ!」 ダイヤモンドバックで針を払いながら、エビルも蛇の紋章が描かれたカードを抜く。 マグマバイザーが装填されたカードを読み込む。ナスティベント。召喚されたマグマカープから真っ赤に熱された鱗が無数に射出され、蜘蛛に降り注ぐ。 蜘蛛は人型から発射される針でそのいくつかを撃ち落とすも、大多数の鱗は蜘蛛の体に命中、表皮に突き立った。が、分厚い装甲を貫くには至らず、熱を失った鱗がぱらぱらと落ちた。 「残念、本命はこっちだ」 ファイナルベント。ナスティベントの効果時間中に二枚目を抜いていたレディアスが、バイザーの防拳具をずらしカードを挿入した。 現出したままのマグマカープが地に潜り、今度は鱗だけでなく全身を真っ赤に熱して大地ごと蜘蛛を燃やしつくさんと暴れまわる。 先日同じ技によって命を奪われたことを憶えているのか、蜘蛛は耳障りな悲鳴を上げてのた打ち回ったが、やがてぐったりと動かなくなった。 糸が切れたようにくずおれた蜘蛛の背から、めきめきと嫌な音を立てて人型が飛び出す。蜘蛛の体を捨て、せめて逃げ延びようとした人型の脇腹に、蛇の顎が喰らいついた。 蛇の頭は十メートルほど離れたところに立つエビルの左腕から伸びていた。不条理なまでの力で振り回され、人型は硬い地面に叩きつけられた。 人型を地面に叩き付けた衝撃を利用し、エビルは垂直に高く跳ぶ。一度体を捻り、ガルスネーカーと一体化している左腕に力を込めた。 ファイナルベント・デスアゴニイ。エビルの体がガルスネーカーの体をすべるように移動し、人型に迫る。エビルは強く左腕を引き、右足を突き出した。 「やあああああっ!」 十分にスピードの乗ったエビルの足が、人型の胸部に吸い込まれた。人型は吹き飛ぶ事で衝撃を発散する事もかなわず、哀れにも爆発、四散した。 先程の蜘蛛は二つの魂を持っていたらしい。マグマカープは蜘蛛の、ガルスネーカーは人型の魂をうまそうに喰らった。 満足した二匹のモンスターが姿を消した後、二人のライダーが向き合った。 「ライダーんなって結構経つが、まだ誰も落ちちゃいないんだってな」 銛を肩に担いで、レディアスが口を開いた。 「そうね。そろそろ一人くらい脱落してくれないものかな」 左手甲の牙を撫でながらエビルが言った。 どちらも切り札は既に切っている。お互いに二度三度と刃を交えているため、相手の残りの手札のおおまかな予想はつく。 エビルの残り手札はトリックとアドベント。残された唯一の武器であるバイザーのリーチも短く、エビルの不利は火を見るよりも明らかだ。 にもかかわらず、紫の鎧は退く気配を見せない。 ――これは、何か隠してる手札があると考えるべきか、それともただのはったりか。 レディアスは構えを崩さずにしばし思案し、しゃにむに突っ込むのは上策ではないと判断した。 リーチの長い武器は懐に入られると途端に邪魔者となる。制空権が狭まるのを覚悟の上で、ソードベント、カープマチェットを召喚した。 エビルが動いた。ガルバイザーを振り上げ、まっすぐレディアスに突っ込んでくる。 レディアスは左のカープマチェットを突き出し、エビルを牽制。エビルは体勢を低く、左足で地面を蹴ってレディアスの左側に回る。 大きく後ろに引いたガルバイザーの牙がレディアスの脇腹を狙う。しかしレディアスの左手が動いたのを見て、素早く左腕を引き戻した。 エビルの鼻先をカープマチェットが掠める。大鉈の刃が眼前を通り過ぎた瞬間に再び攻撃、今度は左腕を横に倒し、真紅の装甲に覆われていない首を狙う。 右のカープマチェットがそれを受け、二本の牙の間に刃を差し込み、手首を返して絡める。 勝った、レディアスは仮面の下で頬を歪めた。ガルバイザーを絡め取った今、エビルの武器は殺した。レディアスの左手に握られている大鉈は、素手で止められる代物ではない。 どこを狙う、首か、腹か。一瞬考えて、腹を狙うことに決めた。首は少しずらすだけで襟部装甲や仮面でカバーされてしまうが、装甲とベルトの間に大きな隙間のある腹部ならば、腕を犠牲にしたりしない限り決まる。 振りぬけ。左腕の筋肉に命令を送ったとき、レディアスの耳が何かの音をとらえた。バイザーを開閉した時のような、がしゃりという音。 見れば、ガルバイザーのカードリーダー部が開かれている。エビルはカープマチェットに捕らえられているのを利用し、左腕を少し引くことでバイザーを開いたのだった。 命令を受けたレディアスの左腕が大鉈を振るわんと筋肉を張る。しかし大鉈が動き出すよりも一瞬だけ早く、ガルバイザーが閉じられた。 トリックベント。レディアスの周囲に無数のポールが突き立ち、耳障り、不快といったレベルを越えた騒音を立てはじめた。 桁外れの空気振動がレディアスの脳髄を揺さぶり、体中の筋肉の動きを狂わせる。両腕の力が抜け、カープマチェットが地面に落ちた。 馬鹿な。エビルのトリックベントは先日の戦闘で見た事があるし、何よりこの身で味わったはずだ。あの時は確かに不快ではあったものの、せいぜいが撹乱程度の力しか持たなかった。 レディアスは弾け飛びそうに揺れる脳を叱咤して顔を上げる。レディアスほどではないが、エビルもまたダメージを受けている様子だった。 レディアスが膝をついた隙に攻撃しようとしたエビルもまた破壊的な音に苦しみ、後ずさった。よろめきながら背を向け、戦場を離れた。 唐突に音が止み、無数のポールが消滅する。開放されたレディアスにエビルを追う体力は残っておらず、崩れるように座り込んだ。あぐらをかき、呼吸を整える。 胸ポケットに手を入れようとして、紅い甲冑にこつんと手が当たった。一度頭を振って、よろよろと立ち上がる。一服したくてたまらない。 彼はソードベントを使用する際に手放したマグマバイザーを拾い上げ、肩に担いでもと来た鏡へと歩いていった。 エビルの姿が鏡に映り、波打つ鏡面を潜り抜けて現実世界に帰還する。変身が解除されるやいなや、加奈子はがくりと両膝をついた。 「おい! 大丈夫か? 加奈子!」 彰一が肩を大きく上下させる加奈子のもとへ駆け寄った。 「大丈夫、ちょっと疲れただけだから」 額に大粒の汗を浮かべながら加奈子が微笑み、彰一の肩を借りてよろよろと立ち上がった。おぼつかない足取りで歩き出す。 「あんまり無茶、しないでくれ」 加奈子を支えながら、彰一が呟いた。加奈子はふふ、と小さく笑った。 「うん、でもこれは私の問題だから」 そういって彰一の目を覗き込む。 「心配してくれて、ありがと」 目を細めて微笑みかけた。組んでいた肩をほどき、彰一の手を取る。 「そうだ、本屋さん行こ?」 「どうしたんだよ、急に。欲しい本でも思い出したのか?」 「うん。姓名判断の本。……ふふ、まだ早いかな?」 彰一も加奈子につられて笑顔を見せた。 「いや。……行こうか」 彰一の手を握りながら、加奈子はライダーバトルの結末を思う。彰一の暖かな手を握っていると、不思議な力が湧き出してきて、まるで負ける気がしない。 十二人。自分がその全てを倒すわけではないだろうが、人の命を奪う事には変わりない。それでも。 彰一とずっといっしょにいたい。彰一との子供が欲しい。子供の進路に頭を悩ませ、子供の恋人の顔が見たい。しわくちゃのお婆さんになって、彰一や孫といっしょに縁側で日向ぼっこをしたい。 このささやかな、おだやかな夢をかなえるためならば、そのための十字架ならば喜んで背負おう。 どんなに重たくても、彰一といっしょになら歩いていける。 「ね、彰一」 彰一が振り返る。思わずその腕に抱きついた。 「何でもないっ」 制服姿の男女が二人、沈みゆく太陽光の残滓がちらつく住宅街を、長い影を引きずりながら歩く。 牧野優佳は弟の勇介よりも一歩前を歩いている。顔を洗い、目薬をさしたとしても泣き腫らした目がすぐに治るわけではなく、そんな顔を見られたくない、というのが彼女の言い分だった。 優佳の後を一歩離れて歩く勇介は、言葉をどうしても喉から上にもっていくことができず、ややうつむき加減に足を運んでいた。 高校から牧野姉弟の自宅まで、住宅街を歩いて二十分ほどかかる。道すがら、広くはない公園の隣を通り過ぎた時に、その音は二人の耳に。 先に気付いたのは勇介だった。モンスターが接近している事を示す耳障りな音は、しかしモンスターの位置を知らせてはくれなかった。 「優佳、聞こえる?」 「うん」 カードデッキを所持していなくとも、デッキに触れた事のある優佳もまたモンスターを感知していたようで、その歩みを止める。 「どこだろう」 勇介は優佳と背中合わせになり、周囲の鏡を確認する。カーブミラーが一つ、二つ。赤い夕日を反射する家のガラス窓かもしれない。 「わからない」 優佳は周囲に人がいないか確かめた。公園の中に人はいない。狙われているのは私たちなのだろうか? どこか、家の中にいる人を狙っているのかもしれない。 突如、絹を裂くような悲鳴が住宅街に響き渡る。二人は声のした方へ振り向き、勇介が学生服のポケットに手を入れた。 ポケットから手を引き抜きざま、勇介は手近にあったカーブミラーへ左手を突き出す。強く握り締めた青い板、そこに刻まれた狼の紋章が鈍く輝いた。勇介の腰に銀色のベルトが巻かれる。 デッキを握った左手を引き、同時に拳を握った右手を高く掲げる。学生服の袖から包帯を巻いた腕がのぞいた。 「変しっ……」 不意に左手を掴まれ、勇介の動きが止まった。鏡で背後を確認すると、勇介の左手を押さえる優佳の姿があった。 「優佳?」 うつむいた優佳の表情をうかがうことができず、勇介はゆっくり振り返る。優佳の震える唇から、消え入りそうな声が紡がれていた。 「ごめん……なさい、ごめん……」 夕暮れの住宅街に長い影を従えながら神楽は走る。 その耳に響きわたる不快な警鐘。鏡世界と現実世界の接続を示す音。 下校途中の神楽が昼に取り逃がしたモンスターの気配を感じ取り、追いはじめて十分は経ったろうか。 全力疾走する神楽の額には玉の汗が浮き、学生服が肌に張り付く。 ――この野郎、どこまで逃げる気だ―― 神楽はモンスターの気配を追ってひたすら走る。彼は過去にも数度猿型モンスターと交戦した事があったが、いずれも一度決めた狩場をこうも離れたことはなかった。 小さな違和感を抱えながら足を動かす神楽の耳に、ひときわ大きな金属音が鳴り響く。本能的に足を止め、一歩大きく飛びすさった。 ライダーとして鍛えられた反射神経が神楽の命を救う。刃物のような風が吹いた。 夕焼けの中にあってなお暗い影。カーブミラーから現れたそいつは、つい先程まで神楽の胸があった空間を鋭く薙ぎ、眼光鋭く神楽を睨めつけた。 神楽は胸ポケットに手を入れ、白いカードデッキを取り出す。 目の前のモンスター相手に変身が間に合わないと判断し、デッキから一枚のカードを抜いて鏡へ向けた。 鏡面が揺らぎ、純白の龍が咆哮とともに現れた。龍は、今まさに神楽へ飛び掛らんとしていた黒い影にその力強い尾を打ち込んだ。 影は力に抗うことなく宙を舞い、空中で体制を整えカーブミラーの中へ姿を消した。 神楽もそれを追い、鏡の前へデッキを突き出す。左手を引きざま、指先まで伸ばした右手を左斜め上に突き上げた。 「変っ身!」 鏡を潜り抜け、龍神が降り立った鏡世界は現実と同様に、いや現実世界よりも静寂に包まれており、龍神以外のいかなる生命もそこに存在しないかのような錯覚を覚えた。 ライドシューターを降りた龍神は、仮面によって増幅された五感を総動員してモンスターの気配を探る。空気が動いた。 「後ろか!」 龍神が右に跳ぶ。アスファルトの上に小さな火花が五つ散った。体を捻りざま、右手で抜いたカードをバイザーに装填する。 ソードベント。召喚されたドラグサーベルを右手に、龍神は攻撃の来た方向へ目を向けた。 二階建ての小さなアパート、そのベランダで小銃を構える猿型モンスター、デッドリマー。嫌なタイミングだな、と心中毒づきつつ、相手との距離を測る。 およそ十メートル。詰めようと思えば一跳びで詰められる距離ではあるが、相手の獲物が銃である以上直線軌道で接近することは不可能だろう。 ガードベントを使えばその限りではないが、状況からしてもう一体付近に控えている。できるだけ手札を切るのは避けたい。 「っとと」 飛んできた銃弾を小刻みなステップでかわしていく。敵の弾はぎりぎり視認できるスピードだ。これならば。 ドラグサーベルを逆手に持ち、剣の腹を相手に向ける構えを取る。幅の広い青竜刀だからこそ可能な芸当。 龍神はデッドリマーの視線から目を離さずに大地を蹴る。相手の視線、辛うじて目に映る弾の軌道上にドラグサーベルを置いて防御する。剣からはいくつもの火花が散った。 モンスターが目前に迫ったところで剣を順手に持ち直し、左手を添えて薙ぎ払う。ダメージを与える事はできなかったが、銃を弾いただけでも十分だ。 ベランダに着地し、二撃目、剣を握った右手を振り戻す。しかしモンスターは異常な反射神経で跳び上がり、龍神の刃をかわした。 「逃げ足速ぇなー……」 ひゅん、とドラグサーベルを振り、龍神が振り返る。 道を挟んで向かい側、小さなガレージのある三階建ての一軒家、その屋上に、そいつはいた。 今まさに沈まんとする夕日を浴びて右半身を朱に染めて、しかし左半身は夜の闇そのものを纏っている影。 闇に包まれた左腕のシルエットは異形そのものであり、細い腕に不釣り合いなものがその先にくっついていた。 そいつは左腕の先にあるものを無造作に放り投げた。 夕日に照らされたそれは正しく人間の体であり、既に命が失われているのか 四肢を躍らせながら落下し、下で待ち構えていたデッドリマーがそれを受け取った。 餌を受け取ったデッドリマーはうまそうに食らいつく。粒子化が始まった死体の左胸は真っ赤に染まっていた。 「何なんだよ、あいつ……」 龍神が首を動かす。消え入りそうな夕日を受けて龍神を睨めつけるその影は、仮面越しの視界にあっても正体がわからなかった。 デッドリマーや、他のモンスターを見たときは仮面が神楽の脳にその名称を伝えてくるものだ。 事実、今現在デッドリマーの頭上には「Dead Limmer」と出ている。 もう一度、龍神はその影を見やる。太陽の力が薄れはじめているなかで、闇に溶け込むほどに黒い影。その頭上には。 「Unknown」 「妙な話だな」 戦場からいくぶんか離れたビルの屋上で、オーディンを従えた神埼が呟く。金色の羽を散らし始めたオーディンを手で制し、小さく笑った。 「面白いじゃないか。もう少しだけ、遊ばせてやるのも悪くはないだろう」 神崎の言葉にオーディンは頷き、組んでいた腕を解く。金色の羽が吹雪のように舞い散り、神崎とオーディンは忽然と姿を消した。
https://w.atwiki.jp/sinsetsuz/pages/17.html
「あれは……バルゴラ、か? ……見つけた!」 ルナマリアの助力によってカミーユたちを振り切って少しの間、シンは今彼が口にした機体だけを探し戦場をさまよっていた。 幸いにもその間に他のZEUTHの出会うことは無かった。恐らくアクシズやティターンズの相手をしていると思われる。 そして数分の後、シンはついにその機体を目視で確認することが出来た。 「こっちから見えてるってことは……向こうも気づいてるよな?」 速度を落とし、ゆっくりと自分の機体をバルゴラへと向けるシン。 改めてその青い機体を見据えた時、シンは胸の内に軋むような痛みを感じた。 これから自分がする事、彼女と戦うという事を拒否するようなそれをシンは奥歯を噛み砕かんほどの強さで噛み締めることで耐えた。 (……今のお前に出来るのはっ、これしか無いんだ! 耐えてみせろ、あの人を救うんだろ!?) 悩んだ、悩み抜いた結果だ。 敵となってしまった自分に出来るであろう唯一の方法。 しかし、そもそもこの方法が正しい根拠なんて何処にも無い。 「俺に出来る事は……これしか無いんだっ…… 迷いは、捨てろ!!」 ここまで来ておいて悩み、迷う自分に言い聞かせるようにしてシンは声を吐き出した。 『シン君! シン君でしょう!?』 突然通信が開きモニターの隅にセツコの……これから戦わなければいけない相手が映し出される。 「……っ」 その悲しみを声を聞いただけで……もう自分は敵だと言うのに心配するようなその表情を見ただけで……心が軋んだ。 今一度これでいいのかという疑問が、今まで何度も考えて何度も必死になって打ち消してきたその考えが、ぎちぎちと自分を責め立てるように心の中で首をもたげた。 「……セツコさん」 『もう……もうやめましょう!? 私には……こんな戦いをあなたが望んでるなんて思えない!』 「……もう、迷いは捨てたんだ! 戦争の無い世界を……平和な世界を作る為に……俺は戦う! 相手が例えあなたであっても!」 『スフィアが教えてくれる……あなたの心! お願いだから自分を自分で傷つけながら戦わないでっ!』 ずるい、とシンは思った。 たったほんの少しこうして話しただけで自分の心をこうも揺さぶる。 言って欲しいことを言ってくれる。その言葉に身を委ねたくなる。 「そういうセツコさんはどうなんだよ! そんな機体に乗り続けたら本当に何時か……くそ! あんたはそれでいいのかよ!?」 『っ……私は……うん。私はもう、決めちゃったから。 この先どうなろうと戦うって。それしか、私にはもう無いから……ね? でも、でもねシン君は違う。 だから、もう……自分の心に嘘をついて戦うのはやめて!!』 セツコの叫びがコックピットの中に木霊する。 それを聞いて泣きそうになりながら、下唇を鉄の味が口中に広がるまで噛み締めた。 そして、もう一度口を開く。 「俺は……嘘なんてついていない!」 (俺は……あなたと戦いたくなんて無い!) 叫ぶ。その声量に緊張の所為か乾いた喉がヒリヒリと痛んだ。 叫ぶ。その想いの強さにまだ我慢が利くのだろうかと疑問に思いながら。 「そうだ! 望んでこうして戦っているんだ!」 (わからないんだ! 何が正しくて、何が間違ってるのか!) 構える。悠々と、威圧するようにデスティニーの背中からアロンダイトを抜く。 構える。幼い子が迷子になって泣くように。差し出された手を握る勇気も無くて、それを振り払うように。 「だから――――セツコさんともカミーユ達とだって……俺は!」 (それでも――――戦うことしか出来ないから、それしかないから……俺は!) 振りかぶる。その背に生える赤い翼から光を放ち、ぐっと開放の時を待つ。 振りかぶる。泣き叫ぶ子供が暴れるために力を溜めるかのように。 「(俺は……! セツコさん、あなたを――――)」 そして解き放つ。持てる力の全てを、ただただ己の為すべき事をする為に。 迷いは……もう捨てた。捨てたのだと、そう一心に思い込んで。 「――――倒してみせるッ!!」 (――――救ってみせるッ!!) 聞こえた二つの叫びが……シンが口にした言葉たちと、それと異なるスフィアを通じて曖昧にだがわかる彼の幾つもの想い声。 相反する言葉と感情、それらがセツコの心を締め付けた。 「どうして……っ!?」 私たちが戦わないといけないの? なんでこんなことに? あなたはそんなに苦しんでいるの? 私が……あなたを徒に苦しめている? 私は……私は……あなたのことが―――― 一回の瞬きの間に様々な疑問がセツコの心の内に浮かんでは消えて、そして終にはそのどれもが声として顕れることは無かった。 「……つぅっ!」 モニター一杯に映し出されたのはアロンダイトを今にも振り下ろさんとしているデスティニーの姿。 咄嗟に機体を操作し紙一重の所でシンの放った裂帛の一撃を避ける。 それは考えての動きではなく、反射的なそれ。 自然とほぼ無意識のうちに機体を動かせたのはきっとZEUTHの皆との、そして…… 「……シン君、あなたと一緒に頑張ってきたからなのにっ!」 もう一度振り下ろされた刃を今度はビームの鎌――――バーレイ・サイズ――――をガナリー・カーバーから発生させ受け止める。 ぶつかり合った大剣と大鎌が凄まじい光を放った。 「だから……だからこれだけの力を手に入れられたのに!」 一緒に強くなったと言ってくれたのはあなたなのに、と叫んでガナリー・カーバーを強く振るう。 そして一旦距離を取るため牽制の意味も込めてレイ・ピストルを連射。 デスティニーが止まった一瞬で大きく後ろに下がった。 「私は、こんな事の為にこの力を使いたくなんて無いのに!」 セツコがガナリー・カーバーを狙撃の体勢で構えるとほぼ同時に、シンのデスティニーも背中の高出力ビーム砲を展開。 引き金を引こうとする指が震えた。 一瞬の躊躇が命取りになりかねないこの状況で――――それはもしかしたら向こうも同じだったのかも知れない。 狙いをつけて……互いにそれ以上の行為を行うことはしなかった。 一瞬の静寂。それこそ瞬き一回するだけの時間だったかも知れないし、もしかしたら数秒、数分にさえ知覚できたその瞬間。 動いたのは同時だった。 「っ…………!!」 シンの放ったビームがバルゴラの片足を焼き、デスティニーのビーム砲をガナリー・カーバーが打ち出した弾丸が貫く。 (動かないと……!) バルゴラ/デスティニーがほぼ同じタイミングで背の翼を翻す。 互いに高速機動が可能な二機は先を争うように戦場を駆け巡った。 ぶつかり合う赤と青。その様はまるで終わりの無い舞踏のようで。 実力が拮抗してる上に互いの癖等も熟知しているのだ。 その上にどこか心の中に迷いがある。シンにしても自分にしてもそれは同じ事で。 それがどうしても理解でき、悲しくて、辛くて……知らずセツコの瞳は涙に濡れていた。 機体と機体がぶつかり合う衝撃で、涙が粒になってバイザーの中に飛び散る。 そのことに気づく余裕すらなく、彼女は機体を駆った。 『セツコさん、もう一度聞く! 何であなたはその機体に乗ってるんだよ!?』 「シン君!?」 投げ放たれたフラッシュエッジⅡを避けたところでもう一度シンから通信が入る。 『何のために、命を削ってまで戦おうとするんだよっ!』 「私は……」 答えようとして、不意に、唇の動きが止まった。 ここで止まってはいけない。しっかりと答えないときっとこの戦いを止めることはできない。 そう思うものの言葉が続かない、見つからない。 平和のため? 世界のため? 誰かのため? 仲間のため? それとも……やはり、仇を討つ為だろうか? そのどれもが正解のように感じたし、そのどれもがシンを納得させるに足るものとは思えなかった。 そしてセツコが答えあぐねいている間にも戦闘は続く。 その手に戻ってきた一本とそれを掴んだのと逆の手で新しく抜き放ったもう一本。 両手に掴んだフラッシュエッジⅡを今度はブーメランとしてでなくサーベルとして用い、デスティニーがバルゴラに切りかかる。 「く、うぅっ……」 息を着く間もない猛攻に耐えながら、セツコはうめく。 その耳をもう一度シンの声が打った。 『俺はセツコさんと違う? 私はもういい? 決めたから? そうじゃないだろ!? そんなわけあってたまるかよ!?』 「……シン君……何、を……?」 一瞬、戸惑いを隠せずに聞き返すセツコに更にシンは続けた。 『ふざけんな! 勝手過ぎる! そんなもの認めてたまるか俺が認めるかっ! 本気で……本気で死んでもいいって思ってるのかよ!』 「それは……っ!」 そうしないと戦えないから……と続けようとしたセツコの言葉をシンが遮って叫ぶ。 『違うだろ!? 生きたいから戦うんだ! 大切な誰かを守って、その人と一緒に生きていたいから戦うんだ! 少なくとも……今の俺はその為に戦ってる!!』 自分は何のために戦っていると自問しても答えがもう浮かばない/わからない。 ただ、シンの声を聞きながら未だに続く剣戟を交して防いで避ける。 「でもっ、私はチーフとトビーの……!」 『仇を討ったらそれで終わりなんて……いい訳あるか! 俺が言えたことじゃないかもしれない。俺もそうかも知れない……でも! 何度も言われてきた俺が、俺だからきっと言えるんだ!』 すぅ……と息を吸う声を通信機を通じてセツコは聞いた。 『セツコさん、あなたは……俺たちはきっと――――これ以上、過去に囚われたらいけないんだ!!』 「ッ――――――――!?」 心臓がどくんと一度強く脈を打ち、それを皮切りに動悸が早くなる。 頭の中がパンクしそうになる。今まで自分を支えて来た物が一気に崩れ去りそうな感触。何を信じればいいかわからない。何を想って戦えばいいかわからない。私は私はわたしはわたしは私はワタシはわたしは私はワタシハ私は―――――― 「それでも、私は……!!」 溢れ出そうになる感情/激情/衝動を押さえ込みながら、セツコは答える。 思い出されるのは何も無かった自分に居場所をくれたグローリー・スターの仲間。 (チーフ……! トビー……!!) 自分の為に死んでしまった彼等に報いなければ先に進めない。 それに…… 「それに……あなたが、よりにもよってシン君が私に、それを、言うの!? あなただって、あなたにだって、あなたならっ……あなたに、私の何がっ――――――――!」 この感情は怒り? それともそれをシン自身は成し遂げたのに、同じ事を望む自分に止めろと言う彼に対する嫉妬? もしかしたら、どこかで自分と同じだと想っていたシンにある意味で裏切られた事に対する……悲しみ? ただただ、もう既に押さえなんてきかなくなった激情に駆られるままに……セツコはデスティニーに砲口を向けた。 高速機動を行いながら狙いをつけているにも関わらず、その照準はデスティニーを捕らえて離さない。 そして口にするのは約束/絆の言葉。 「――――ザ・グローリィ・スタァアアアアアアアッ!!」 「このっ、分らず屋が!!」 ガナリー・カーバーを腰だめに構えるバルゴラをきつく睨み付ける。 同時に我ながら馬鹿な事を言ったとも思うが、しかしそれは否定出来ない想いだったのだ。 仕方ないとも、思う。 恐らく放たれようとしているのはバルゴラの、否ガナリー・カーバーの持ちうる最大最強の兵装にして彼女の切り札。 そして……それが冠する名は《ザ・グローリー・スター》彼女の心の支え/拠り所。 ならばこそ…… (それを破って……そしてセツコさんを苦しめる大本を破壊するっ!) それこそが今の自分に出来ることと信じる。 もう敵とか味方とか……そんなことはシンの頭の中に無く。 ただ為そうと思うことを為そうとする。 大切な誰かを守って、その人とともに生きたいと願うから。 と、そこまで考えてシンは少し笑いをこぼした。 「こりゃ……ルナに感謝しないとな」 最後に自分の背中を押す……というか蹴飛ばしてくれたのは彼女だ。 だから今こんなにも簡単にある事実を認めることが出来る。 その為に命を賭ける気にもなれる。 「さあ、行くぞ……!」 デスティニーの左手に備えられたビームシールド、ソリドゥス・フルゴールを最大出力で展開。 同時にその背に備えられた赤い羽根を広げる。これもまたのっけから最大出力で。 そして……全てを焼き尽くさんとするその光の奔流に、真正面より少し右にそれながら突撃する。 全力×全開×全速=FullThrottle.GoAhead(即ちただ前へ前へと)――――! 「くぅぅぅぅぅぅぅうううううう……!」 左手甲のソリドゥス・フルゴールとバルゴラが放った光が触れ合った瞬間、凄まじい光と振動がシン/デスティニーを襲う。 首が振られ頭がそこかしこにぶち当たる。ヘルメットのバイザーが一部割れ、視界が赤く染まる。 その瞳に赤く映るのは画面一杯に現れる警告/アラート音=機体の破損率/内部温度の上昇。 ソリドゥス・フルゴールはその勢いを失いつつあり、余りの熱量に左腕、左足は融解を始めているのも見える。 痛い。そこかしこが痛くて、泣きたくて、もう機体もボロボロで、諦めたくて、それでも諦める気にはなれなくて。 「ぐ、が、らぁあああああああああああああああああ!!」 叫び、紛らわす。 ――――直後、ソリドゥス・フルゴールが過負荷に耐え切れなくなったのか左腕、左足が完全に消滅する。 更には左翼までもが消し飛び、接合部で爆発。更に強く揺れるコックピットの中、シンはその表情に笑みを刻んだ。 「ここ、だああああああああああああ!!」 片肺のその翼が光を放つことが無くなる事は無い。 そして破壊された各パーツが爆発する衝撃すら利用して、光の渦の中より飛び出る――――! 一気にまだ光の照射を続けているバルゴラの懐へと右手から飛び込んで、 「セツコさんっ! 俺が……俺は!!」 残された右手に持つフラッシュエッジⅡを横薙ぎに振るう――――! 『きゃあっ!!』 まだ繋がっていた通信越しに悲鳴が聞こえる。 しかし、シンは今はそれを無視して……先ほどの斬撃で頭部を失い、後ろへと下がろうとするバルゴラを見据え…… 歯を食いしばり……返す刃でフラッシュエッジⅡを投擲。 センサーの要である頭部を失ったバルゴラの右腕を、投げ放たれた光の刃が肩口から分断する。 「あなたを、あなたのことを――――!!」 バランスを崩したバルゴラに更に追いすがる。 片翼から光を放つデスティニーは残された右腕/光を放つ掌を大きく振り被り―――― 『や、やられる……シン君!! ―――――――――え?』 右手で持っていたが故に、今のバルゴラの手の中には存在しないガナリー・カーバーに叩きつけようと……しかしそれは永遠に為されることは無く、ただ―――― 『――――悪いが、今、それを壊されるわけにはいかないのさ』 「なっ……?」 黒い/昏い=禍々しき疾風が、宇宙の戦場を駆け抜けた。 次へ進む
https://w.atwiki.jp/sengoku3/pages/195.html
雑賀孫市の章・第三話「三成救出戦」 雑賀孫市の章・第三話「三成救出戦」あらすじ 戦況(解説者 雑賀孫市) 勝敗条件 武将データ ミッション 撃破効果 アイテム配置 攻略アドバイス ☆猛将伝&Zの変更点 無双演武一覧 あらすじ 孫市の奮戦で、 豊臣軍を撃退したものの、 豊臣の圧倒的な物量を 見せつけられた政宗は これ以上の反抗は無意味と判断。 また、 豊臣軍の武将たちとの戦いを経て、 政宗の志すところも、 天下人の座ではなく、 天下の中身へと変わった。 秀吉の死後、 にわかに情勢が変わる。 豊臣家中で、 石田三成と福島正則らが対立、 ついに三成を誅滅せんと 正則らが暴発した。 死地に立たされた三成を救うため、 三成の友・直江兼続らが現場に急行。 孫市と政宗も、 兼続らの加勢に向かった。 戦況(解説者 雑賀孫市) どうやらまだ三成は見つかっていないようだ。 しかし敵さんも必死だ。 見つかるのは時間の問題かもしれねえな。 まずは先行して敵に囲まれちまった政宗を 黒田長政とか倒して助けないとね。 んで、清正や正則ら秀吉のガキに説教だな。 三成を保護したら 脱出地点まで連れて行こう。 ま、敵さんも面子がかかってる。 全敵将撃破しなきゃ退いちゃくれんだろ。 上田城の5人そろい踏みも最後だ。やるか! 勝敗条件 勝利条件 敵武将をすべて撃破 敗北条件 伊達政宗の敗走↓伊達政宗と石田三成いずれかの敗走 武将データ 石田軍 備考 反石田連合軍 獲得 備考 雑賀孫市 プレイヤー 加藤清正 装備品/巻物 ミッションNo.4の阻止対象ミッションNo.5の撃破対象ミッションNo.6発生時に再出現再出現時は練技ゲージあり くのいち 福島正則 素材/装備品 ミッションNo.4の阻止対象ミッションNo.5の撃破対象ミッションNo.6発生時に再出現 直江兼続 阿国 装備品 撃破効果No.3の撃破対象 前田慶次 黒田長政 素材 ミッションNo.1の撃破対象 真田幸村 細川忠興 素材 伊達政宗 敗北条件ミッションNo.1達成後一時撤退ミッションNo.6発生時戦線復帰 浅野幸長 素材 撃破効果No.1の撃破対象 結城秀康 池田輝政 巻物 ミッションNo.3の撃破対象 佐竹義宣 加藤嘉明 装備品 撃破効果No.2発動で効果ありミッションNo.3の撃破対象 石田三成 ミッションNo.3終了後出現ミッションNo.4の合流対象ミッションNo.6の護衛対象敗北条件 蜂須賀家政 素材 藤堂高虎 装備品 脇坂安治 巻物 山内一豊 素材 可児才蔵 素材 浅野長吉 素材 堀尾吉晴 素材 中村一氏 素材 撃破効果No.4の撃破対象 守備頭 なし ミッションNo.3発生時出現ミッションNo.3終了後撤退 ミッション 番号 内容 備考 No.1 伊達政宗救援のため、黒田長政と細川忠興を撃破せよ! 達成後、本堂裏門と北屋敷北門が開門伊達政宗が一時撤退 No.2 西屋敷に侵入せよ! 達成後、西屋敷北西門が閉門継続してミッションNo.3が発生 No.3 3分以内に西屋敷付近の敵武将を全滅させよ! 終了後、西広場東門と西屋敷北西門が開門東屋敷に石田三成が出現加藤清正と福島正則が石田三成へ進軍開始敗北条件変更 No.4 福島正則と加藤清正が合流する前に、石田三成と合流せよ! 終了後、継続してミッションNo.5が発生 No.5 福島正則と加藤清正を撃破せよ! 達成後、東屋敷南門が開門 No.6 石田三成を脱出地点まで護衛せよ! 発生時、伊達政宗が戦線復帰加藤清正と福島正則が再出現加藤清正は石田三成へ進軍開始福島正則は伊達政宗へ進軍開始達成後、すべての門が開門し、伊達政宗へ総攻撃開始 撃破効果 番号 内容 効果 備考 No.1 石田軍の武将数が6人以上の状態で浅野幸長を撃破 石田軍全武将の攻撃力が一定時間上昇 No.2 撃破数が100以上で詰所頭を撃破 加藤嘉明と蜂須賀家政と藤堂高虎の防御力が一定時間低下 No.3 開始から15分以内に阿国を撃破 武器を獲得 No.4 コンボ数が100以上で中村一氏を撃破 素材を獲得 青小 アイテム配置 携帯道具 壱 団子 団子 団子 大盛御飯 大盛御飯 大盛御飯 弐 団子 団子 大盛御飯 戦草鞋 陣太鼓 秘伝之書 参 団子 黒漆太刀 戦草鞋 陣太鼓 秘伝之書 幻朧時計 攻略アドバイス ☆猛将伝&Zの変更点 福島正則のPC化に伴い、敵が僅かながら強化されている。 無双演武一覧 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 上田城の戦い 葛西大崎一揆 三成救出戦 長谷堂の戦い 大坂の陣
https://w.atwiki.jp/trpg_summary/pages/3568.html
KP 越山嘉祈 PL&PC A24:中丸澄継 梵人:春暮真 NPC やみえん もこ田めめめ びとー オジョギリ・ダー ラングドシャ こにゃばた やつは 奏音69:伊原獅恩 むつー:入曽禎夫 配信 2020/09/24 20 00- CoC ほしならび 第三話『月光落ちるは緋の景色』 一日目 2023/10/02 21 00- CoC ほしならび 第三話『月光落ちるは緋の景色』 二日目 二〇二六年六月二十三日 火曜日MCRの2人が言い渡されたのは、異例の命令だった―― 感想配信 ツイート 告知 再告知 / 二日目 越山嘉祈 / 梵人 当日ツイート 二日目:越山嘉祈 / A24 / むつー / ひよりん* 感想 一番星スタジオ / 越山嘉祈 / 繰木みや
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/941.html
838 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 11 20 ID vM+W356W 第三話『深紅・猛攻』 「とりあえず、ここじゃなんなのでトイレにでも」 「何をするつもりだ……」 「すぐわかりますよ」 ミクは千歳を連れて保健室を出た。ミクは下校時間の生徒の追い出しと、施錠を役割としている。 これは本来教師や用務員の仕事なのだが、ミクは自らその役がしたいと買って出た。 学級委員長、風紀委員、生徒会などなど、他人の上位に立つのが好きな人間である。 「(最初からおかしいと思うべきだった……)」 わざわざそんな役を買って出るなど、常人のすることではない。真面目な委員長と言う印象でごまかしていて分からなかったが、今なら分かる。 井上ミクは……。 「お前ここ、女子トイレ」 「つべこべ言わずに、入ってくださいよ。拒否権はありません」 ――そもそも、女子トイレじゃなかったら、私が男子トイレに入らないといけないじゃないですか。私は変態じゃないんでそんなのしませんよ。 くすくすと笑いながらミクは小声で言った。 千歳は、盗撮をしている人間がなにをほざくのかと不快に思うが、今は言わないことにした。 「……わかった」 ナギの写真をばら撒かれるくらいなら、と、千歳は素直に従う。 「その個室にしましょうか」 一番奥の個室。ぐずぐずとしていたら、ミクが強引に押し込んできた。鍵をかけ、そのまま千歳を壁まで押し付ける。 「おいっ! お前一体……うぐっ」 口がふさがれる。ミクの唇によってだった。 839 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 13 07 ID vM+W356W 「んっ……ふぅぁ……」 ミクは興奮したように口の端から吐息を漏らす。千歳には振り払えなかった。ミクの腕力が異常に高い。 ミクの身長は、ほとんど小学生のナギと比べると大きいほうだが、150センチと少しくらいで大きいとは少なくともいえない。 それが、男としては標準的な体格と運動能力を持つ千歳を完全に封じ込めている。信じがたいことだった。 「ぷはぁ……。鷹野君、『どう』ですか?」 ミクは唇を離すと、依然千歳を押さえ込み、したから覗きこむ視線で聞いた。それはもはや真面目な委員長の姿ではない。 ――雌。ただの発情気の雌。 しかしこの雌は、人間なんかよりずっと性質が悪い。知恵をつけた野獣。 「黙りこくって……。この状況、わかりませんか?」 千歳はもはや状況に脳がついていっていなかった。話すことも、動くこともできない。 「簡単なお話です。鷹野君の大切な幼なじみであるナギさんがですね、ある日の放課後、教室でオナニーしてたんです」 「オナ……ナギが?」 なんとか搾り出した言葉も、ただの反射。内容は無かった。 「そうですよ。はしたないですよね。教室でオナニーだなんて……。いつも巡回している私に見つかる可能性を考えなかったのでしょうか。それとも、誰かに見つかるかもしれないという状況に興奮したのか……」 楽しそうにミクは語り続ける。 「誰かさんの机に必死でおまたをこすりつけて、その人の名前を呼ぶんです。汚いなぁって、ちょっと私も人事ながら怒りを覚えました。本人にはもっと苦痛でしょうかね。あんな臭そうなおまんこ汁をぐちゃぐちゃにして、よだれたらして、馬鹿みたいな顔して」 「な……一体、ナギはなんで……」 「さあ。その人のことが好きなのか、それともただ性欲が強いのか。――おそらくは後者ですがね。とにかく、それを気に私はナギさんという人間に興味を持ちまして、いろいろと調べてみたんですよ」 千歳の手の中にある、ナギの盗撮写真。いたるところから撮影されている。 ミクはそれを奪い返し、ぱらぱらと中身を確認する。 「簡単でした。だって、私はほとんどこの学校の部屋の支配権全てを握っているみたいなものですから。いわば、放課後の王様。カメラを仕掛ける時間なんて腐るほどありますし、回収する時間もあります。鍵を締めれば自由に作業できるんですから」 「そんな、めちゃくちゃな……」 「そうですよね。確かにこの作戦には不備があります。発見もされやすいし、不確定要素も多いですが……。なんにでも、用意周到な人間は切り札を隠し持つものです」 ミクの特徴的なくすくす笑いは加速する。 840 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 18 35 ID vM+W356W 「まあ、説明はこんなところでしょう。ナギさんの写真、私が持っていたら不安じゃないですか?」 そりゃあ、そうだ。 千歳は一瞬その物言いに。当たり前のことをわざわざぬけぬけと言ってくるミクに対し怒りをあらわにしかけたが、直前で押さえた。 「千歳君、この写真は、合計で20枚あります。ネガや元データも既に処分しました」 ――そんなわけありませんけど。 「これ、全部千歳君にあげようと思っています」 「ほ、ほんとうか……!」 手を出す。ミクはさっと手を引いてかわした。 「もちろん、ただじゃありません」 「どうすればいい……?」 「これ一枚につき一回、私の言うことを聞いてください」 「わかった」 千歳は全く迷わずに答えた。その速さは若干以外だったが、ミクは動揺を表に出さない。 迷ったら負ける。犯罪を犯しているのは、こちらのほうなのだ。そんな覚悟と自覚がミクにはあった。 ――それに、これで切り札をとっておいたまま計画が進行しますしね……。 どんなものにでも切り札は必要。当たり前の話だ。この『脅し』だって、千歳の冷静さとナギへの思い次第。正直不確定。 だから、必要な情報はもっとたくさんそろえた。 例えば。あくまで例だが。 ――ナギが昔殺人を犯していたり、とか。 ――千歳が昔、親に暴行を働いた、だとか。 そんな、過去の傷をえぐるような、そんな『甘い知識のリンゴ』。すばらしいじゃないか。 「じゃあ、今日は報酬は一枚です。よろしくお願いしますね」 「……何時までかかる?」 「そうですね、今が六時半くらいですから……。だいたい一時間くらいいただきます。七時半まで、この写真で買いますね、いいですか?」 「……交渉できるたちばじゃないみたいだな。それでいい……」 「さすが、ものわかりが良いですね」 がちゃり。ミクはどこからともなく手錠を取り出すと、千歳の両手後ろに拘束した。 841 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 26 02 ID vM+W356W 「おまっ、なにを……」 「さっきから思ってたんですけど、鷹野君って鈍いんですか? それとも、これから起こるであろう未来のことも予測できないほどに馬鹿なんですか? おそらくは前者でしょうけど」 「鈍い……だと?」 「歴然としているでしょう。男女逆の立場だとわかりやすいですかね。そう、強姦ですよ。わかりますか?」 ミクはくすくすと笑い、手錠をされ無抵抗の千歳を押し倒した。この女子トイレ、個室がわりと広い。十分に千歳が座り込み、その上にミクが覆い被さることができるほどのスペースがあった。 「くっ……」 「あはっ、やっとくやしそうな顔になりましたね。今ごろになって状況が完全に飲み込めたようですけど、ご感想は?」 「この……」 「この、何です? 怒らないから言ってみてくださいよ」 「(……だめだ、不利になることは避けないと)」 ナギのため、ここは個人的感情は押さえる。千歳は抵抗も何もしないと、内面的に超然主義を取り入れることにした。 「だんまりですか。まあいいでしょう。こういう素直じゃない子を調教するのが、強姦の醍醐味ですから」 「――っ!」 「だから、ちょっとずつ、声ださせてあげますね」 ミクの小さく華奢な手が千歳の股間を掴んでいた。 「あれ……? 鷹野君、なんでこんなにおっきくしてるんですかぁ~?」 「……」 「答えないでいいですけど、これはちょっと面白いことだってこと、わかりますよね。さっきキスしたとき、鷹野君も興奮したんですね」 そう言うと、ミクはスカートを穿いたまま下着だけに手をかけ、脱ぎ去った。飾り気のない、真面目っぽいものだ。 そう、ミクは家族にも完全に本来の凶暴性を隠して生きてきたのだ。やましい要素など、よほどの粗探しをしないと見つかりはしない。 「ほら、鷹野君、みてください」 座り込む千歳の眼前に立ち、スカートを上げる。 「……!」 842 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 31 24 ID vM+W356W 「こんなに、濡れちゃったんですよ。鷹野君とキスしたとき……。私、処女なのに。こんな……」 千歳の目の前に現れたミクのそこは既に洪水状態で、脚を伝って液が流れていた。毛が薄く、割れ目が見えている。 なんとも、艶やかな光景だった。 びくん。 「ふふっ、鷹野君が興奮してる。……じゃあ、鷹野君、舐めてください」 「うぶっ!?」 ミクがおもむろに千歳を床に叩きつけ、その顔にまたがった。千歳の鼻に甘い匂いが飛び込む。あまり良い匂いではないという印象があったのだが、ミクのものはそうでもないようだ。 むしろ、確実に千歳の性欲を刺激していた。 「舐めてください」 最初はためらっていた千歳だが、よく考えると、屈辱的ではあるがたいした被害はない。この程度でナギが救えるならと、従うことにした。 ぺろりとミクの秘所を舐め上げる。処女らしく、まったくと言って良いほどに清潔なピンク色をしているその場所は、千歳がひとなめした瞬間にびくりと跳ねた。 「んぁ!」 ミクの体全体もびくりと跳ねる。秘所からはさらに液体が流れ出、千歳の顔にだらだらとかかった。 千歳はさらに舐め上げる。ちろちろと、牛乳の皿に慣れない子犬のように、ゆっくりと優しくだ。 「んふっ……あ……あぁ……ん、いい……いいです、よぉ……」 ミクの感度は非常に高いらしい。なら、このままさっさと終わらせることができるかもしれない。 一気にスピードを上げる。刺激しまくって疲労させれば、早いうちに消耗して今日は見逃してくれるかもしれない。 くちゃくちゃと、激しく舐め上げる。割れ目を舌でこじ開けて舌を挿入する。 「ふぁ……あぁん……んんぁあ!」 ミクが身体を逸らし、痙攣した。 「(まさか……イッたのか? こんなに早く?)」 そう考えていると、頬を赤く染めたミクが息を整え、声を絞り出した。 「……はぁ……はぁ……お上手ですね、鷹野君。私、実は自慰行為というものを実行したことがなくて……今初めて、軽くイッてしまうという経験をしました」 「(ならさっさと解放してくれ。満足だろ……)」 843 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 31 58 ID vM+W356W そうは思えど、独裁者は下僕の要求や感情など受け入れない。「支配されている気持ちの側が気持ちが分かってない」と、弱者はいつも主張する。 しかし、違う。狡猾なまでの『弱者の感情への理解』こそが、支配者を支配者たらしめる。 労働者は、支配される側は常に冷静さを奪われ、感情に生かされる。ミクも千歳の冷静さを奪いコントロールするため、あえて強引さを保っていた。 深紅は他人の気持ちを誰よりも深く理解できる頭脳を持つ。それゆえに、千歳の要求など、聞かないのだ。 「でも、まだ軽いです。もっと……もっと気持ちよく……!」 ミクの口調が荒くなる。興奮が加速している。 ミクは乱暴に千歳の頭を掴み、自らの秘所に押し付ける。 「うぐっ……」 「鷹野君……もっと、舌……ください……」 何がなんだかわからないほどに乱暴に顔に擦り付けられている。混乱状態のまま、千歳も要求通りに舌を出すしかなかった。 「はあぁん! ……いい、いいよぉ……舌、あったかい……ぬるぬるしてて……」 大洪水どころか、もうダム決壊レベルか。わけのわからない汁やら液やらが千歳の顔をどろどろにぬらしていく。 なめあげるたびにミクの股から溢れ出す。 「奥に……舌、奥に……これ、命令……です」 言われた通り、再び差し込んだ。こんどはミクが千歳の頭に押し付けてくるため、さっきより深くまで舌が入る。 「ひぁ……」 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。リズミカルに水音を立たせ、ミクの膣内を舌でかき混ぜる。 「あっ、あああっん……んんぁ……ふぅっ、ふあ……これ! ……いいですぅ!!」 再び加速させる。これだけ感じやすければ、簡単に終わらせることが出来るだろう。 「くはっ、うん……は、ぁあああ!!! きちゃいます!!! なんか……なんかでちゃうぅう!!!!」 「っ!?」 ミクのひときわ大きな叫びと共に、秘部から液体が勢いよく噴出され、千歳の顔にかかった。 それだけではない、第二波。 「ふあぁああ……鷹野くぅん……すみません、全部……」 「……?」 844 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 32 31 ID vM+W356W 「全部、飲んでくださいぃ……これ、命令……ですぅ!!!」 言葉と共に、ミクの尿道から暖かい液体が流出する。独特なアンモニア臭に、千歳は明らかな嫌悪感を覚えた。 が、飲み干さなければ。千歳はあくまで冷静だった。これもミクが千歳を屈服させるための示威行為だが、千歳は図らずも無効化していた。 「うぷっ……ごくっ、こくっ……」 のどを鳴らし飲み込む。その献身的な姿は、その献身の対象が例えナギであれ、ミクを喜ばせた。 「鷹野君、かわいい……♪ 必死に私のおしっこ飲んじゃって。そんなにおいしかったんですか?」 「うぐっ……」 言葉に詰まる。興奮してなど居ない、ミクに対して好意を抱くなどありえない。そう千歳は自分に言い聞かせた。 だが―― 「ここ、おっきくなってますよ?」 ――身体は嘘をつかない。どうしようもなく自己主張して、ズボンの上からでもはっきりと形状が分かるほどである。 さっきからすでにそうだったのだが、もはや言い逃れはできないレベルにまで成長していた。 「このままじゃ苦しいでしょうから、脱がしますね」 「や、やめっ……!」 「あ、そうですか。じゃあやめます」 「……!?」 正直、苦しい。脱がして欲しいという本音があったことを千歳は自覚した。 どうしようもなくくやしい。ミクはことごとく千歳を上回っていた。 「上から、ちょっとだけ触りますね」 ミクは下着を履いて立ち上がると、今度は靴下を脱ぎ始めた。 「おま、何を……」 「そんなこと言っちゃって、びくびくさせて、本当は期待しているんですよね。素直じゃないんですから」 くすくすと笑い、ミクは足を千歳の股間に乗せた。 そして、自己主張しているモノを足の指で挟み、上下に扱き始める。 「うくっ! ……委員長、おまっ……」 「ミクって呼んでくださいね。これも命令です♪」 「そんなの今関係な……う、うああ!!!」 「関係ないことなんてありません。それを決めるのは私であって、鷹野くんじゃないんですから……いや、千歳君って呼びますね。これから。これでおあいこじゃないですか?」 ミクの足は器用だった。自分の手で慰めるよりはるかに大きな快感を与えてくる。 それは千歳の心を少しずつ削っていった。蝕んでいった。 845 :ワイヤード 第三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/11(土) 00 33 11 ID vM+W356W 「くぁ……が……」 「声をだすほど気持ちいいんですか……。足でされてこんなに喜んじゃって、千歳君、とんだ変態さんです」 「(だめだ……もう……)」 限界が近い。 「……ふふっ」 ミクが足を止めた。 「今日はここまでにしましょうか」 「な……」 「あれぇ~? 千歳君、やっぱり名残おしいんですかぁ?」 「そんなこと……!」 「大丈夫ですよ。明日もありますから」 さらりと明日も同じことをするのだと告げ、ミクは千歳を起こし、手錠を鮮やかにはずして見せた。 「『おあずけ』というやつです。明日までに自分で慰めてきたら……わかってますよ、ね?」 「……!」 下方から覗き込むミクの形相はすさまじかった。ナギにも劣らない威圧感。 しかも、ナギのように純粋な敵意などではない。その感情はあらゆる悪意――善意までもが入り混じった複雑で、不可解なものだ。 それに底知れぬ恐怖を覚え、千歳の足が硬直した。直立不動して動けない。 それを見たミクはふっと優しく微笑んで、千歳の手をつかんでトイレを出た。 「あと十九回、短い付き合いですが、よろしくお願いしますね。千歳君」 そんなミクの声も、まともに脳に入らないほどに千歳は放心していた。
https://w.atwiki.jp/sengoku3/pages/244.html
北条氏康の章・第三話「関東出兵」 北条氏康の章・第三話「関東出兵」あらすじ 戦況(解説者 北条氏康) 勝敗条件 勝敗条件(模擬演武) 武将データ イベント ミッション 撃破効果 アイテム配置 攻略アドバイス ☆猛将伝&Zの変更点 無双演武一覧 あらすじ 駿相の戦いの後、 武田、北条、今川の間で和睦がなり、 甲相駿三国同盟が結ばれた。 これにより、 当面の敵は上杉に絞られる。 氏康は、 上杉家に連なる豪族を平らげ 関東の支配を広げていった。 北条軍の侵攻に、 自力で抵抗できぬと踏んだ 豪族たちは、 軍神・上杉謙信に泣きつく。 義に篤い謙信は、 勇躍して関東に侵攻。 北条方の諸城を 怒濤の勢いで落とすと 氏康の居城・小田原城を囲んだ。 戦況(解説者 北条氏康) 謙信が小田原城を包囲してきやがった。 力ずくで追い払うぞ。 まず、手近なところから片付ける。 成田長泰、太田資正、三田綱秀を討つぞ。 そんで、上杉軍の先陣を指揮する綾御前を 討ったら攻勢に出る。 小田原城天守を取られたら仕舞えだ。 綱成、体張って守りやがれ。 勝敗条件 勝利条件 上杉謙信の撃破 敗北条件 北条綱成の敗走 勝敗条件(模擬演武) 勝利条件 上杉謙信の撃破 敗北条件 北条綱成と北条氏康いずれかの敗走 武将データ 北条軍 備考 上杉軍 獲得 備考 北条氏康 総大将プレイヤー 上杉謙信 なし 総大将 北条綱成 敗北条件撃破効果No.2発動で効果あり 綾御前 装備品 ミッションNo.2の撃破対象 風魔小太郎 成田長泰 装備品 ミッションNo.1の撃破対象 北条氏繁 太田資正 装備品 北条氏政 三田綱秀 巻物 冨永直勝 柿崎景家 素材 撃破効果No.1の撃破対象 多目元忠 直江景綱 素材 松田憲秀 上杉憲政 装備品 民兵×3 ミッションNo.2達成後出現ミッションNo.3の護衛対象ミッションNo.4の成功条件 小山秀綱 装備品 武田信玄 ミッションNo.3終了後出現 新発田長敦 巻物 撃破効果No.3の撃破対象 高坂昌信 本庄繁長 巻物 撃破効果No.4の撃破対象 内藤昌豊 佐野昌綱 素材 ミッションNo.4の撃破対象 馬場信房 甘粕景持 素材 撃破効果No.2の撃破対象 大道寺政繁 撃破効果No.4発動で出現 中条藤資 素材 那須資胤 素材 民兵に接近すると出現 長野業正 素材 佐竹義重 素材 ミッションNo.3終了後出現 宇佐美定満 素材 斎藤朝信 素材 北条高広 素材 鬼小島弥太郎 素材 イベント シナリオ開始直後、ムービー「敵中突破」が流れる。 風魔小太郎の敗走時、北条綱成による会話イベントあり。 武田信玄の敗走時、武田軍が全軍撤退。 ミッション 番号 内容 備考 No.1 成田長泰と太田資正と三田綱秀を撃破せよ! 達成後、北条軍が城内に後退開始小田原南門が開門し、綾御前が進軍開始 No.2 綾御前を撃破せよ! 達成後、南西砦東門と小田原南東門が開門民兵が出現し、小田原城へ進軍開始佐野昌綱が民兵へ進軍開始 No.3 民兵を小田原城まで護衛せよ! 終了後、上杉軍の援軍が出現上杉本陣と南西砦がすべて開門上杉軍が小田原城へ進軍開始風魔小太郎が上杉本陣へ進軍開始武田軍が援軍として出現し、西側の上杉軍へ進軍開始 No.4 佐野昌綱が民兵に接近する前に、佐野昌綱を撃破せよ! 撃破効果 番号 内容 効果 備考 No.1 開始から1分以内に柿崎景家を撃破 素材を獲得 青小 No.2 北条軍の詰所の数が6以上の状態で甘粕景持を撃破 北条綱成の体力が回復 No.3 撃破数が200以上で新発田長敦を撃破 武器を獲得 No.4 無双奥義・皆伝中に本庄繁長を撃破 大道寺政繁が援軍として出現 アイテム配置 携帯道具 壱 団子 団子 団子 大盛御飯 大盛御飯 大盛御飯 弐 団子 団子 大盛御飯 当世具足 活水盃 荒御魂 参 黒漆太刀 黒漆太刀 蛭巻小太刀 活水盃 荒御魂 幻朧時計 攻略アドバイス 撃破効果の条件である詰所数は、北西の二箇所の詰所を利用すると数を安定させられる。 時期的にはミッションNo.2の頃が一番いいだろうか。 増援の武田軍が出現後は、彼らと合流して西から反時計回りに攻めるといいだろう。 ☆猛将伝&Zの変更点 無双演武一覧 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 河越夜戦 駿相の戦い 関東出兵 三増峠の戦い 関東防衛戦